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結婚式の二次会を運営するってこんな感じでしたというお話ー当日編

 

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突然だが,メロスって本当に凄いと思う.その辺にいるおじいちゃんの「この国マジヤベェ,全部国王のせい」という何の確証もない情報を頼りに,単身で国王征伐に乗り出し,案の定呆気なく捕縛される.

 

しかし,そのまま国のTOPである王との面会に成功し,「会場までの往復を含めても,妹の結婚式の設営から運営まで三日あれば十分」と堂々としたプレゼンによってタフなネゴシエーションを切り抜ける.

 

ロジ周りを含めた結婚式運営を見事にこなし,あまつさえ途中で昼寝の時間さえ設けたうえで期限内にクライアント(王)の元へ戻り,セリヌンティウスとの寸劇を取り入れたエモーショナルな成果報告により一身に賞賛を浴びる.彼こそ,真のビジネスマンである.

 

さて,そんなメロスと私の共通点は結婚式の運営を手掛けた,という点だ.

所詮私(達)が担当したのは二次会であり,メロスさんとは比肩するに値しないかもしれないが,顧客志向で妥協を許さず仕事に励んだという点においては我々にも一日の長があるだろう. 途中でお昼寝をかましたメロスと違い我々は夜すら寝ていない.

 

前記事では二次会事前準備について述べた.今回は当日の話について語りたいと思う.

 

 

結婚式→披露宴終了までのソワソワ感が半端ない

二次会に必要な物品の搬入,会場のレイアウトを含めたスタッフとの打ち合わせを結婚式開始ギリギリで完了した我々は多少の安堵を感じながら式場に向かった.

 

先に述べたが前日の準備により睡眠を殆ど取っていない.つまりサラリーマン業務を前日に終えてから体を休めていないことになる.結婚式の幸せな空気を壊してはならないと,新郎新婦の笑顔でドーピングすることにより心から祝福することが出来た.

 

披露宴中の豪華な食事も,高まる緊張感に味がよくわからない.ただただ酒をあおり精神を落ち着けようとするばかりである.3時間程度の式もエンディングムービーを迎え,我々は先に退場して二次会会場に向かうのであった.

 

 パーティーっていうのは生き物

二次会会場に到着し,それぞれの役割を確認し始める.主に裏方,受付,司会などである.準備を開始して間もなく二次会出席者が到着し始めた.「ばかな,早すぎる」など焦りながら受付係は名簿をみながら参加費を徴取し,席へ促す.

 

当日になって見えてくることもある.実際に席を並べてみると,新郎新婦間でバランスが悪かったりするのでその調整,足回りがあまりよくないのでどうやってビンゴで景品を渡すかなどである.

 

経験が浅いうえに寝不足による思考力の低下で想定外のことが起きると割と焦る.次第に運営に関わる友人たちの口調も荒々しくなりさながらパワハラが横行するブラック企業のようだった.

 

それでも何とか定刻までに出席者に席に座っていただき,新郎新婦の入場,乾杯により二次会を開始させた.フリートークの時間は気楽なものだが,ゲームも幾つか放り込んであるので,緊張は解けない.いざゲームが始まるとこれも生き物のように想定外の奉公にすすむものだ.

 

新郎新婦に対決させるショー形式のゲーム,これは勝たせたい側が演出的に決まっていたので,絶対的にどちらかが不利な条件,もしくは空気を読まなければならない雰囲気を作っていた.にもかかわらず,先ほど永遠の愛を誓った二人とは思えないくらくいゲームに本気で臨み,互いに打ち負かさんとする.やや想定外だが,酔いに任せた司会の機転によりその場を潜り抜ける(司会はメンバーの中でも慎重に選んだ方がいい..).

 

そしてビンゴである.当選者があまりにも出ない.閉会の時間は刻々と過ぎていく.冷や汗をかきながらガラガラと球を排出させ数字を発表していくと,休止状態の火山が突然噴火するように突然のビンゴの大合唱である.これはこれで景品をさばくのに大変であった.

 

なんとかイベントをこなし,新郎新婦の閉会の言葉で幕を引いた時,我々はようやく安堵したのだった.会場の片づけの際に新郎新婦から労いの言葉をもらった時,「ああ,これは仕事じゃなくて祝い事だった」,と気づいた.最後に新郎新婦とともに取った記念写真が一生の思い出になりましたとさ.